裁判の準備もそこそこに、私は新居を探すことにした。
部屋探しの条件と言えば、間取り、駅からの距離、オートロックなど
さまざまな要素が複雑に絡み合い、その妥協点に軟着陸するのが定石。
しかし私は何軒か不動産屋を回った後、
そんな諸条件を超越した魅力的な物件、俗に言うミリョッケンjr.に出会った。
写真を見ていただければおわかりいただけるように、何しろ床が青い。
「女房の実家の床は青いほうがいい」というのは、
不動産業界に語り継がれる格言であるとともに、私の祖父の遺言でもある。
さっそく私は内見を申し出て、部屋の隅々までチェックした。
まずパッと見、日当たりが悪い。
隣人が観ていると思われる『ミヤネ屋』の音声が
漏れ伝わってきているところから推察するに、壁も薄いようだ。
おもむろに洗面所の蛇口を捻ると、30秒に1回のペースで
墨汁のような真っ黒い水が出てくる。
だが、そんな数々のマイナス要素を差し引いても、
なお余りある床の青さである。
私はさっそく不動産屋に契約の意志を告げ、
契約書を読むフリだけして拇印を捺した。
川端さんが保証人として認められたことも
決めてのひとつとなったと言っていいだろう。
かくして、私の新生活は幕を開けた。
新たな舞台での私及び川端さんの活躍にご期待いただきたい。
敷金4ヵ月分、礼金7ヵ月分という条件に首を傾げながら、
今日はこの辺で横になることにする。
川端さんw
返信削除だが、そんな数々のマイナス要素を差し引いても、
なお余りある床の青さである。
のくだりが
純文学的ですね