一向に職が見つからない。
寒さと空腹もピークに達し、
このままでは無事に年を越せるかどうか
本格的に不安になってきた。
そこで街に出て職を捜すことにしたのだが、
街を徘徊しているうちに都心から離れ、
ウミガメの産卵場まで来てしまった。
これも何かの縁かもしれない。
せっかくだから見学していくことにしよう。
感動的な産卵を見ることを通じて、
新たな自分が発見できるかもしれない。
砂浜に身を潜めて待つこと半日。
日が暮れるまで待ったが、結局ウミガメは現れなかった。
どうやらシーズンではなかったらしい。
しかし、四つん這いで産卵に思いを馳せていたら、
なんだか私自身が産気づいてきてしまった。
幸い、来週は編集部もお正月休みに入るとのことなので、
私も産豆体勢に入らせてもらうことにする。
無事に年を越せたなら、
みなさんに元気なピーナッツベイビーを
お見せすることができるだろう。
もう私ひとりの体ではない。
胎教によいとされるモーツァルトを聴きながら、
編集部の休みが明ける来年1月5日まで
横になることにする。