2008年12月26日金曜日

年の瀬マタニティー



一向に職が見つからない。

寒さと空腹もピークに達し、
このままでは無事に年を越せるかどうか
本格的に不安になってきた。

そこで街に出て職を捜すことにしたのだが、
街を徘徊しているうちに都心から離れ、
ウミガメの産卵場まで来てしまった。

これも何かの縁かもしれない。
せっかくだから見学していくことにしよう。

感動的な産卵を見ることを通じて、
新たな自分が発見できるかもしれない。

砂浜に身を潜めて待つこと半日。

日が暮れるまで待ったが、結局ウミガメは現れなかった。
どうやらシーズンではなかったらしい。

しかし、四つん這いで産卵に思いを馳せていたら、
なんだか私自身が産気づいてきてしまった。

幸い、来週は編集部もお正月休みに入るとのことなので、
私も産豆体勢に入らせてもらうことにする。

無事に年を越せたなら、
みなさんに元気なピーナッツベイビーを
お見せすることができるだろう。

もう私ひとりの体ではない。

胎教によいとされるモーツァルトを聴きながら、
編集部の休みが明ける来年1月5日まで
横になることにする。

2008年12月25日木曜日

フィンランドからの刺客



皆さんはサンタクロースの存在を
何歳まで信じていただろうか?

多くの人は小学校低学年……遅くとも中学生になるこには
クリスマスとサンタクロースにまつわるからくりを
否応なく理解せざるを得なかったことだろう。

しかし私に関して言わせてもらえれば
サンタはもはや信じる信じないの問題ではない。

私が4歳のとき、クリスマスプレゼントに
ホッチキスをもらって以来、サンタという存在は
毎年やってくる避けられない悪夢なのだ。

明け方のもっとも冷え込む時間帯をねらって、
今年もヤツはやってきた。

体中の関節をバキバキと鳴らしながら、
郵便受けの狭い隙間から無理矢理侵入してくる。

そしてそのまま私の枕元までウネウネと這ってきて
獣のような息づかいで仕事を始めるのだ。

私は固く目をつむり、ガタガタと震えながら
ジッと時間が過ぎるのを待つ。

ことを済ませたヤツは奇声をあげながら
体当たりで窓ガラスを叩き割って逃げていった。

枕元にはプレゼントの鼻毛カッターが
無造作に靴下の中に突っ込まれている。

部屋中にガラス片が散乱し、
サンタが這った跡はなぜか粘液でヌルヌルして
拭いてもなかなか取れない。

部屋の片づけと掃除の手間を考えると、
どう考えても割に合わない。

来年こそはサンタクロースが来ないことを
心の底から祈りつつ、
今日はこの辺で横になることにする。