鯉のぼりと言えば 子どもの日の上空を彩る5月の風物詩。 カラーバリエーション豊富なカープが 子どもたちの明るい未来を照らし出す。 しかし、我が家の近所には そんな鯉のぼりをオールシーズン 365日たなびかせている家がある。 その家にはおじいちゃんが ひとり暮らしをしているのだが、 頑なに鯉のぼりをしまおうとしない。 今日も区役所の人が訪れ、 おじいちゃんをたしなめたが まるで聞く耳を持たない。 「おじいちゃん、もう10月になるんだから いい加減にしまわないと……」 「わしの鯉のぼりで人様に迷惑かけた覚えはない!」 そんなふたりのやり取りが、 いずれ深夜のドキュメント番組や 夕方のニュースでご覧いただけることだろう。 与えられた仕事をこなす役所の人と、 自分のポリシーを貫こうとする老人。 どちらが善で、どちらが悪とも言い切れない。 強いて言うなら、 "雛人形をしまうのが遅れると婚期が遅くなる"的な 教訓の鯉のぼりバージョンを考えなかった 先人が悪いとしか言いようがないのだ。 高齢化社会が内包する問題点を 鋭くえぐった達成感に包まれつつ、 今日はこの辺で横になることにする。