2013年6月21日金曜日

三陸から来た濃緑が地球を救う


私は虫取り活動の一環として、町の緑化運動を推進している。

無計画な森林伐採によって残された禿げ山では、
昆虫たちは生きていけない。

緑がなくなれば、虫がいなくなり、
虫取り人である私は、おまんまの食い上げ
あるいは豆粥のお預けだ。

それだけではない。

地球上から虫がいなくなり
生態系や食物連鎖のバランスが崩壊すると、
人類は予想だにしなかった深刻な事態に追い込まれるのだ。

一例を挙げよう。

昆虫がいなくなると、虫を主食としていた鳥が餓える。

餓えた鳥たちは生ゴミを求めて早朝の新宿に集結する。

カラスだけではない。

文鳥からジュウシマツ、セキセイインコまで
ありとあらゆる鳥が都庁上空を旋回するのだ。

色鮮やかな鳥たちの航空ショーは
新たな東京名物となることだろう。

そうなると、従来の観光名所である
浅草の雷門やアサヒビール本社のへんなオブジェは根こそぎ観光客を奪われ、
周辺の土産物屋は、おまんまの食い上げ、
あるいはボンゴレの裾上げになってしまう。

とにかく、虫及び鳥たちのために、緑を絶やすわけにはいかない。

そこで私は電車を利用する際、
各駅のホームにめかぶを植樹することにしている。

私が植えためかぶが梅雨の湿りで成長し、
やがて都内の地下鉄はワカメの緑で覆い尽くされることだろう。

際限なく増えたワカメが線路を塞ぎ、電車を止めて
多額の賠償金を請求されることになったら、
私は全力でしらを切り通すつもりだ。

海の幸と山の幸が共生する理想郷の誕生を心待ちにしつつ、
今日はこの辺で横になることにする。

2013年6月13日木曜日

実戦における立ち関節の有効性



某日未明、我が集合住宅は武装した機動隊に包囲された。

隣人の植物兵器による脅威は、
"エアコン室外機の向きを変える"という私のとんちによって
解決したかに見えた。

しかし、室外機から吹き荒れる猛風は
綿毛をマンション全体へと散布させる結果となっていたのだ。

他の住人からの苦情は
大家を通じて国家権力にまで到達し、
ついに早朝の綿毛開放作戦は実行に移された。

「突入!」の合図とともに、防護服に身を包んだ実行部隊が
マンションに雪崩れ込む。

訓練され、組織化された動きで
速やかに隣人宅に侵入し、家主を拘束。

写真のように、謎の綿毛植物もすべて刈り取られ、
半透明の袋に封じ込められた。

こうなってしまえば、植物兵器も可燃ゴミと同じ。
土曜日の朝8時までに集積所へ持っていけば、
今回の綿毛禍はすべて解決だ。

ちなみに、マンションに突入してきた機動隊によって、
私も肩関節を逆に極められ、組み伏せられた。

拘置所で半日間に渡る事情聴取の末、
なんとか私は被害者であるということを
理解してもらえたのは幸いだったと言えるだろう。

大自然の恵みとして我々の味方であるべき植物も、
人為的な科学の介入によって大いなる殺人兵器となる。

人間と植物、昆虫の三者が正常な関係を保ち、
三位一体、あるいは三竦みの状態を長く続けられることを願ってやまない。

空室となったお隣に、ひとり暮らしの女子大生が
引っ越してくることを祈りつつ、今日はこの辺で横になることにする。