月曜日の夕方から、なんだか 川端さんの様子がおかしくなった。 小刻みに震えたり、お粥を食べさせても よく噛まずに戻してしまったり。 そして夜、降り出した雪は東京を ホワイトシティーへと変貌させた。 どうやら川端さんの奇行は積雪の予兆だったようだ。 雪の降らない星からやってきた川端さんは、 初めて雪を見たときも興奮のあまりお粥を戻してしまった。 そしてお粥と引き換えに、雪雲の到来を 人一倍敏感に察知する能力を身につけたというわけだ。 雪が積もると、深夜にも関わらず 川端さんは外へ飛び出し、まるで犬のように走り回ったり、 ダイオードの用に発光したりした。 テンションが上がっている証拠だ。 そして一心不乱に雪を食べ始める。 雪には大気中の埃が豊富に含まれており 衛生的ではないが、それを咎めるような野暮な私ではない。 年に数回しかない非日常空間を、 川端さんには存分に味わってほしいのだ。 案の定、翌日川端さんは腹痛を訴え、 お粥を食べさせても戻してしまったが、 それもまたよき思い出となるだろう。 積雪により、大きくなった天窓の亀裂に鼓動を早めつつ、 この辺で横になることにする。
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