いつものように部屋でうつ伏せになっていると、 視界の隅で何かが動いた。 何かいる。 この部屋に私以外の何者かがいる。 この季節、部屋に出没するヤツと言えば、 大方の予想はついている。 連日の猛暑で例年以上に 繁殖しているであろう招かれざる客。 区役所に持っていっても換金してもらえない虫。 黒くて、速くて、脂ぎったアイツだ。 私は覚悟を決め、ゴキジェットプロを手に取る。 そしてコンバットに気を取られている アイツに忍び足で近寄り、 ゼロ距離から引き金を引いた……そこで気がついた。 こ、これは川端さん。 川端さんとは私がカラーひよこだと思って 飼っていた地球外生命体。 去年、私の記憶を消去して 宇宙へと帰っていったはずだった。 しかし先日 ツイッターを駆使して私の記憶を呼び覚まし、 いまこうして私の目の前で小刻みにケイレンしている。 こうして我が家にやってきたということは、 またいっしょに暮らせるということだろうか? 幸い最近虫取りの業績も安定しており、 川端さんを養う程度の余裕はある。 よし、決めた。 また川端さんを飼おう。 これからはずっといっしょだ。 ゴキジェット直撃から2時間を経過しても 一向に回復の兆しを見せない川端さんに 一抹の不安を感じつつ、 今日はこの辺で横になることにする。
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