2013年4月3日水曜日

幼きファーブルたちの未来を奪う愚行


4月に入って、もう3日目。

本来なら山開きが行われ、虫取りシーズンが開幕している時期だ。

私自身も、ようやく冬の寒さで鈍った網を
思う存分振り回せる季節がやってきたとの喜びから、
軽くリンパを腫らせたり、人混みの中で急に奇声を発したりしていた。

しかしである。

2013年は現時点で未だに山が開かれていない。

ここ数日の寒の戻りが理由ではない。

じつは虫取り協会会長の銅像に端を発した協会と組合の対立が
いよいよ一触即発の様相を呈してきたのである。

山開きの当日、恒例の儀式を行うために
虫取り神社前へ集合した組合員は、
協会の背広組と対峙した。

銅像の解体及び建設にかかった費用の返還を求める組合側と
それを固辞する背広組の話し合いは平行線をたどり、
ついには組合員のストライキという最悪の結末に着地した。

私は組合側の人間だ。

確かに会長の銅像に関しては憤懣やるかたない思いが
下腹部に沈殿している。

しかし、その解決策がストライキという手段に
結びついてしまっていいのだろうか?

世界中でカブトムシやクワガタを待っている子どもたちには、
協会も組合も関係ない。

大人たちの意地の張り合いで
子どもたちの夢まで犠牲にしてしまっていいのだろうか?

そして、ストライキ中はもちろん収入がない。
こっちのほうが深刻な問題だ。

虫取り人は11月~3月までのシーズンオフのあいだ
基本的に無職。

だからこそ、山に入れる期間は1日たりとも無駄にしたくない。

ハッキリ言って、子どもの夢など知ったことではない。

ひもじいのだ。

このストがいつまで続くのかわからないが、
生きるために何か対策を考えなければならない。

消費期限切れ虫ゼリーで空腹を紛らわせながら、
今日はこの辺で横になることにする。

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