今日、川端さんを捨てに行った。
なかなか踏ん切りがつかないことに加え、
手頃な場所が見つからなかったことも手伝って、
川端さんが入ったダンボールを抱えたまま
2時間近く歩いただろうか。
いつまでも歩き回っていてもしかたがない。
太陽も西に傾きかけている。
私は意を決し、路地裏の隅っこにダンボールを置いた。
川端さんはいつもと変わらぬ表情で私を見上げ、
いつもと変わらぬ声で鳴いている。
これが今生の別れになるとは思ってもいないのだろう。
私は走った。
川端さんの視線を振り払うように。
曇りガラスをスチロールで擦るような
あの鳴き声が聞こえなくなるまで、無我夢中で走った。
気がつくと、
私は我が家まで休むことなく全力で走りきっていた。
四畳半の部屋が、心なしか広く感じられるが、
どうということはない。
私はずっと、ひとりで生きてきたではないか。
元に戻っただけだ。
正直、今日はもう何もする気が起きないので、
この辺で横になることにする。
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