隣人の壁キックが、ついにピークに達した。
テレビに映った假屋崎省吾に反応して
川端さんが少し長めに鳴いた瞬間、
過去最大級の衝撃が部屋全体を襲ったのだ。
壁際に置いておいた物が倒れ、散乱するほどのインパクト。
いくらなんでも、これはやりすぎではないだろうか。
しかし、規約を破ってペットを飼っているのは私のほうだ。
どう考えても、非は全面的に私にある。
そろそろペット可の部屋への引っ越しを
考える時期にきているのかもしれない。
しかし、引っ越しするにも先立つものがない。
オオクワガタさえいれば、引っ越ししてもまだ
お釣りがくるぐらいのお金が手に入ったのだが……。
川端さんがオオクワガタを食べなければ……。
川端さんさえいなければ……。
いや川端さんがいなかったら、
そもそも引っ越しをする必要もなかったのか。
ちょっと頭が混乱してきた。
こんなときは、何も考えずに寝てしまうに限る。
眼前に横たわるすべての問題から目を背け、
今日はこの辺で横になることにする。
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