2008年11月21日金曜日

国指定特別史跡



今日は、タチの悪い輩に絡まれた。

前方から歩いてきた目つきの悪い男がすれ違いざまに、
「おぅ、火ィ貸してくれよ」と話しかけてきたのだ。

虫取り人はタバコを吸わない。
クワガタやカブトムシは人一倍臭いに敏感なのだ。

タバコを吸わないのだから、
当然ライターやチャッカマンの類は持ち歩いていない。

目つきの悪い男にその旨を伝えると、
「なんだよ! じゃあ金でいいよ! 金貸せよ!!」と凄んできた。

やはりそうだ。火を借りるフリをして、最初から金品が目的なのだ。

でも大丈夫。こんなときのためのピーナッツディフェンスだ。

運の悪いヤツ……そう思いながら私は
おもむろにポケットに手を入れ、落花生を捜す。

ない! なんということか!!

ポケットをいくらまさぐっても、さっき山で拾った松ぼっくりしかない。
これではどうすることもできない。

「てめえ! 登呂遺跡ナメんなよ!!」。

私の不審な動きが、目つきの悪い男の
怒りに火をつけてしまったようだ。

しかし、私はこんなときどうすればいいのか知っている。

大きく後方にバックステップして、
間髪入れずに額を地面にこすりつけた。
これがジャパニーズドゲザだ。

「ちっ、シケてやがんなあ」。

そう吐き捨てると目つきの悪い男は去っていった。
完勝である。

護身術の極意は、自分も相手も傷つけずにことを収めること。
そういう意味で、闘いは理想的な形で幕を下ろしたと言えるだろう。

そうは言っても、今後街で絡んでくる輩が
ジャパニーズドゲザが通じる相手ばかりとは限らない。

ポケットの中に落花生を補充してから、
今日はこの辺で横になることにする。

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