2009年12月24日木曜日

メリークロスチョップ

 
聖なる夜に奇跡が起きた。

(サンタ)クロースの粋な計らいが
呪術的な力となって世田谷の一角に降り注ぎ、
ニューヨーク東8番街以来のミラクルクリスマス、
俗に言うミラスマス、もっと言うなら
ミル・マスカラスが降臨したのだ。

一昨日から色づき始めた私の体は
今朝未明に完全な真紅となり、
体の内側からミニスカサンタへと変貌を遂げた。

無職の私だが、今日だけは
子供たちにプレゼントを届けるという
立派な仕事が待っている。

今夜は忙しくなりそうだ。

コクワガタが引くソリに乗って住宅街を徘徊し、
玄関先に子供用自転車が置いてある家を発見次第
片っ端からセミの死骸を投げ入れるのだ。

クリスマスというイベントに疎外感を感じ、
息を潜めてジッと26日が来るのを待った
去年までの私はもういない。

紅に染まった私を慰めるヤツも、もういない。
そもそも慰めてもらう必要がない。

紅に染まることで、
私は完全にクリスマスの一部となったのだ。

すべての仕事を終えたら、日の出と共に
私の体は紅から元のネズミ色に戻るのだろう。

そのときは充実感に満ちた後頭部に
ご来光を浴びながら横になることにする。

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