今日、川端さんが電子レンジの中から甦った。
話は1週間ほど前にさかのぼる。
最近の川端さんのお気に入りスポットは電子レンジの中だ。
元来、自販機の裏やボンネットの上など
温かい場所を好む川端さんだが、
今年の冬の寒さはよほど堪えるのであろう。
余熱を求めて、もはや電子レンジは川端さんの巣と化した。
これはたいへん危険なことだ。
もし、うっかり川端さんが中にいる状態で
温め、あるいは解凍を行った場合、想像を絶する大惨事に発展する。
私は、いつでも最悪の事態が起こりうることを覚悟した。
かくして、懸念していた事態はすぐに訪れた。
私が冷凍されたインゲンをレンジに入れてつまみを回したところ、
10秒と経たないうちにスチロールで曇りガラスを擦るような
悲鳴が聞こえてきた。
しまった!
と思ったときにはもう遅い。
レンジ内では激しく火花が散り、
ゴムが溶けるような臭いが部屋に充満した。
なんということだ!
取り返しのつかないことをしてしまった。
私は自分の不注意を悔やみ、責めた。
と同時に、こうも思った。
まあいいか。
それから1週間後、そんな事件もすっかり忘れ去られた頃、
電子レンジの中から川端さんが甦ったのだ。
いやはや、地球外知的生命体ならではの
スペーシーな自己治癒能力には恐れ入る。
今回、川端さんは無事だった。
しかし、命あるものはいつか死ぬ。
川端さんとの別れも、いつか必ずやってくる。
ペットを飼うということは、そういうことなのだ。
限られた川端さんとの時間をムダにするまいと誓いつつ、
今日はこの辺で横になることにする。
リスキーな奴ですね
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