2009年7月10日金曜日

UNヘビー級選手権試合


 
国連のほうから来たという男に声をかけられた。

言われてみれば確かにそれっぽいTシャツを着ているが、
どう見ても目つきが悪い。

もしかしたら国連を語って私に接近し、
何らかの事件に巻き込もうという魂胆かもしれない。

私は用心に用心を重ね、尋ねた。
「国連のほうって、どっちですか?」。

すると男はおもむろに人差し指を舐め、
その指を天高く掲げる。

どうやら風向きを調べているようだ。

そして風上の方向を指差し、叫ぶ。
「あっちだ!」。

室内の微妙な空調の風向きを読み切るあたり、
どうやら信用できる筋の人物であることは
確かなようだ。

男は私に職務質問及び手荷物検査を行うと、
「最近物騒なので、何かあったらすぐ
国連のほうに連絡してよ」と告げ、
風下の方向に去っていった。

その後ろ姿を見て、
国際平和の維持は彼に任せておけば間違いないと
確信した。

私も虫取りを通じて反戦、反核を
世の中に訴えていくことを心に誓いつつ、
今日はこの辺で横になることにする。

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