今日、山の麓と頂上を結ぶゴンドラが開通した。 毎日山に入る虫取り人にとって、 徒歩による登山でのタイムロスは死活問題。 歩くペースが少しでも遅くなろうものなら 早朝のいちばんいい時間帯、 俗に言うプライ虫アワーを逃してしまうからだ。 しかし、これからはゴンドラに乗りさえすれば 決まった時間に山頂に到着する。 このことは、後に虫取り通勤革命として 語り継がれることだろう。 気になる利用料金は、往復で400円。 オスカブトなら2匹、メスコクワなら10匹は 獲らないと元が取れないが、 今日は開通ムードに誘われた虫たちの 大量捕獲が期待できる。 私は券売機で往復キップを購入し、 機上の人となった。 快適な空の旅を終え、新たな気持ちで望んだ虫取り。 今日の収穫はツノが折れたカブトムシ1匹だけだった。 これは完全な赤字である。 明日からはまた徒歩通勤せざるを得ない。 冷静に考えると、 私は高所恐怖症なのでゴンドラ通勤は それほど快適ではなかった。 毎日続けていたら 満員電車以上のストレスが蓄積され、 成人病の引き金になっていたかもしれない。 そんなことを自分に言い聞かせながら、 今日はこの辺で横になることにする。
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