駅前を歩いていると、女性に呼び止められた。 なんでも手相を勉強中だそうで、 武者修行的な意味合いで私の手相を見たいと言うのだ。 もちろん無償で。 これはラッキーだ。 私は喜び勇んで快諾し、左手を差し出した。 すると女性の顔がみるみる曇っていく。 彼女曰く、「生命線と頭脳線の交差したところから 尋常ではないお酢の臭いがする。 これは不幸の前兆で、このまま放っておいたら 何しろ死ぬだろう」と言うのだ。 これはたいへんだ。 ここで死んでは、いままで律儀に払ってきた 国民年金保険料が無駄になる。 それだけは避けたい。 なんとか死を回避する方法はないものか? 私は泣きながら女性にすがった。 すると女性は何やら緑色のお札的な物(写真)を取り出し、 「これを肌身離さず持ち歩くことでのみ 不幸を避けられるし、あと偏頭痛とかも治る」 と言うではないか。 助かった。死なずに済んだ。 私は言われるままに3480円を支払い、 お札的な物を手に入れた。 予定外の痛い出費ではあったが、 命あっての物種だ。 この程度のお金で生き長らえることができるのなら、 むしろ安いくらいである。 よし、ツイている。私はツイている。 お札的な物を、そっと懐に忍ばせ、 いまを生きていることを実感しつつ 今日はこの辺で横になることにする。 ●残りの定額給付金…………2314円
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