野生のチンパンジーの 餌づけに成功したという人物と対談をした。 虫と猿、形は違えど 生き物を愛する気持ちは同じことだ。 お互いにヘソの下に秘めた熱い思いをぶつけ合う。 ひとしきり話題が平行線をたどった後、 チンパンジーを触らせてもらうことにした。 最初は手を近づけると噛みついてきたり 目を突いてきたりして、 餌づけ人の尻ポケットに隠れてしまった。 これは警戒心を解かなければ、 コミュニケーションもままならない。 私は手の平に樹液を塗り、 「私も自然の一部。いわば野生だよ」 というアピールをした。 するとどうだろう。思いが通じたのか、 ポケットから出てきたチンパンジーは、 私の腕を噛んだり、目を突いたりするではないか。 どうやら完全に通じ合ったようだ。 最後に私は餌づけ人と握手をし、 チンパンジーにも手を差し出す。 チンパンジーは別れを惜しむように、 奇声を発しながら私の目を突いた。 動物との触れ合いによる感動の涙と 度重なる眼球へのフルコンタクトにより 視界が霞んできたので、 今日はこの辺で横になることにする。
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