今週は雪が降ったこともあり、 ぐっと気温が冷え込んでいる。 こんなときは、やはり鍋だ。 鍋の余熱によって物理的に体温が上昇するだけでなく、 大人数でひとつの鍋を囲みながら談笑することで 心の隅々まで出汁が染み渡る。 しかし独り身の私は、 滅多なことでは鍋の機会に恵まれない。 ひとり鍋は具材のコストパフォーマンス的にも 非常に敷居が高いと言われている。 そこで、どうしても鍋が恋しくなったとき、 私は1枚の写真を懐から取り出す。 この写真は20年ほどまえ、 親戚のおばちゃんの最後の乳歯が抜けたお祝いに 鍋を囲んだときのものだ。 当時はまだ景気がよかった時代。 誰かの乳歯が抜けるたびに、 万単位の金が動いたとされている。 この写真を眺めるだけで、 あのときの思い出がよみがえり、心身が温まるのだ。 妄想内の鍋の締めを雑炊にするか、うどんにするか 決めかねながら、今日はこの辺で横になることにする。
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