2010年2月16日火曜日

本意ではない白タイツ

 
昨日に引き続き、今日も過去の走馬燈が
頭の中を駆け巡っている。

これは七五三のときの記憶。

フォーマルな服装に巨人帽を合わせる
大胆なコーディネイトは、当時の流行だった。

このころは大人でも、冠婚葬祭すべて巨人帽がド定番。

いま思えば非常に奇異な光景ではあるが、
流行というのはそんなものだ。

そして右手に持っている千歳飴。
これはダミーだ。

巨人帽に予算を投入してしまったため、
私は千歳飴を買ってもらえなかった。

しかたなく捨ててあった袋を拾い、
中に習字の小筆を入れて代用したのだ。

晴れの舞台にも関わらず
どこか苦い表情をしているのは、
小筆をしゃぶって墨汁の味を堪能するも、
予想通りの風味だったからにほかならない。

あのとき、習字の先生が使う朱色の墨汁が
染み込んだ小筆をしゃぶっていたら、あるいは……。

そんな人生の異なる選択肢を選ぶことで、
今宵のバッドエンドを回避していた可能性に
鳩尾を熱くしながら、
明日の走馬燈まで横になることにする。

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