昨日に引き続き、今日も過去の走馬燈が 頭の中を駆け巡っている。 これは七五三のときの記憶。 フォーマルな服装に巨人帽を合わせる 大胆なコーディネイトは、当時の流行だった。 このころは大人でも、冠婚葬祭すべて巨人帽がド定番。 いま思えば非常に奇異な光景ではあるが、 流行というのはそんなものだ。 そして右手に持っている千歳飴。 これはダミーだ。 巨人帽に予算を投入してしまったため、 私は千歳飴を買ってもらえなかった。 しかたなく捨ててあった袋を拾い、 中に習字の小筆を入れて代用したのだ。 晴れの舞台にも関わらず どこか苦い表情をしているのは、 小筆をしゃぶって墨汁の味を堪能するも、 予想通りの風味だったからにほかならない。 あのとき、習字の先生が使う朱色の墨汁が 染み込んだ小筆をしゃぶっていたら、あるいは……。 そんな人生の異なる選択肢を選ぶことで、 今宵のバッドエンドを回避していた可能性に 鳩尾を熱くしながら、 明日の走馬燈まで横になることにする。
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