2010年2月17日水曜日

歩み始めた修羅の道

 
生死の境を彷徨いだして3日目。

今日は小学生のころの記憶が
走馬燈となって前額部の裏側に投影された。

小学3年生のとき、私は初めて
父の職場である山へ連れていかれた。

当時の私の体力を考慮して、
ロープウェーによる入山。

思えばこれが虫取り人への第1歩であった。

流麗な体捌きで樹液を塗り、ハチを避け、
コクワを獲る父。

その姿は幼き私の目にはあまりにも眩しく
シャイニングしていた。

そんな父も、いまや行方不明で、
どこにいるのか
生きているのかどうかもわからない。

このまま私が最悪のフィナーレを
迎えるようなことになれば、
ナッツ家の家系はここで途絶えてしまう。

あの日、虫取り人を志して以来、
山で死ねるなら本望と思ってきた。

しかし、まさかシーズンオフに四畳半で……。

輝いていた日々と現状とのコントラストに
腸をしめつけられながら、
明日の走馬燈まで横になることにする。

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