2010年1月21日木曜日

パイオニア戦志

 
今日、日本最古のパティシエと言われる人物に会った。

和菓子職人の家系に生まれた彼は、
'90年代後期、メープルシロップを舐めたことにより
北関東和菓子組合を追放される。

そんな保守的な和菓子の世界に嫌気が差した彼は
日本で初めて声高らかにパティシエ宣言を叫び、
ヨーロッパバニラエッセンス連盟は、これを受諾。

晴れて日本最古のパティシエが
誕生したというわけだ。

私はパティシエに様々な質問を投げかけた。
職人としての苦悩、和菓子への愛憎、メープルの誘惑。

しかし彼は自らの手で生クリームを絞る作業、
いわゆるセルフ生クリーメーションに集中していたため、
すべての質問は無視される結果となった。

彼はいま、極限の精神状態で生涯にひとつの傑作を
生み出そうとしている。

こうなったら、もう黙って見守るしかないだろう。

作品の完成には数日、
あるいは12年程度を要するという。

つぎの寅年のときに
私が何歳になっているかを計算しつつ、
今日はこの辺で横になることにする。

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