今日、街で職務質問をされた。 何を隠そう私は職質のエキスパート。 どんなに治安のいい街だろうが、 どんなに真っ昼間だろうが、 私が歩けばたちどころにお巡りさんを吸い寄せる。 始めは戸惑うことも多かったが、 いまとなっては逆に私がお巡りさんを観察し、 白目の充血具合から勤続年数を 言い当てられるほどにまでアジャストしてきた。 しかし今日のお巡りさんは、ちょっと勝手が違う。 まず制服を着ていない。 そして鼻の頭が適度に湿っている。 何より決定的なのは、メガネに度が入っていない。 私はすぐに警察手帳の提示を求めた。 すると彼は自信満々にメガネケースを取り出し、 ご開帳してみせたのだ。 そこには1パーセントの迷いもない。 伊達メガネ越しに見る白目も澄みきっている。 どうやら嘘をついているわけではなさそうだ。 彼こそが真のポリスメンであると悟るのに、 そう時間はかからなかった。 私はホールドアップ状態で2歩、3歩と後ずさりし、 ダッシュで逃げた。 危ないところだった。 あと数秒逃げるのが遅れたら、 2000円以下の罰金、あるいは 無期懲役は免れなかっただろう。 叩けばホコリの出る体。 さすれば芽生える豆の花。 国家レベルの反ナッツ的動きに戦慄を覚えつつ、 今日はこの辺で横になることにする。
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