2010年3月24日水曜日

リバース千尋の谷

 
皆さんは街で銭湯の煙突を見かけたとき、
どのような印象を受けるだろうか?

その勇壮なフォルムに胸躍ったり、
サンタクロースを連想して多幸感に包まれるのだろうか?

私にとって煙突は、
忌まわしき長き憎しみの象徴だ。

昔ながらの虫取り人は
木に登って虫を捕ることを求められていたため、
幼いころから高所に慣れ親しむ必要があった。

そこで、虫取り人の家では後継ぎが生まれると、
赤子を背負って煙突の頂上まで登り、
恐怖心を取り払う儀式が行われていたのだ。

私に関して言えば、この儀式は完全に裏目に出た。

物心つくまえだったので
煙突の頂上で泣き叫んだ記憶は判然としない。

しかし、私の深層心理には決して拭うことのできない
トラウマが刻み込まれてしまったのだ。

これは、人間が爬虫類を怖がるのは
深層心理に恐竜に対する恐れが
刻まれているからとする奇説と
同様の原理だと思っていただければ間違いない。

高いところも爬虫類も苦手な私だが、
だからこそ木の根っこ部分に
樹液トラップを仕掛ける高等テクニックを
開発できたという自負がある。

高所恐怖症でも立派な虫取り人になれるのだ。

未来の我が子のためにも、
悪しき習慣は私の代で断ち切る。

そんな思いで鼻の奥をツーンとさせながら、
今日はこの辺で横になることにする。

0 件のコメント:

コメントを投稿